月経異常

月経異常とは

月経異常とは月経前に何らかの症状が診られる月経前症候群と月経直後に診られる月経困難症があります。

月経前症候群は月経の2日から3日前ぐらいから下腹部痛、腰痛、情緒不安定、頭痛、むくみ、イライラ感、吐き気、乳房痛など
の症状が診られるが、月経と共に上記の症状が改善又は消失します。
月経前症候群は30代から更年期前の女性に多く診られます。

月経困難症は月経前にはあまり症状が診られないが、月経直後から2日目にかけて下腹部痛、腰痛、頭痛、情緒不安定、イライラ感、
吐き気などの症状が診られる症状をこう言います。
月経困難症は比較的若い女性に多く診られます。

月経困難症の原因として
@ 子宮内膜症や子宮筋腫、チョコレート嚢腫などが原因の続発性月経困難症
A 女性ホルモンバランスの乱れ、心理的要因などが原因の原発性月経困難症
などが挙げられます。

治療方法として
@の続発性月経困難症はホルモン療法、薬物療法、外科手術などが適用になります。
漢方療法は効果があまり期待できない場合があるので西洋薬との併用が期待できます。

Aの原発性月経困難症はホルモン療法、薬物療法、漢方療法などが適用になります。

月経は周期や期間、出血量などかなり個人差はありますが、「正常」と考えられる範囲はあります。


周期

正常では25〜38日の周期です。月経期間が25日より短い場合を頻発月経といい、38日より長い場合を稀発月経、といいます。
月経周期が不順でいつ月経が起こるか分からない場合を不正周期月経、2ヶ月以上月経がない場合を
無月経といいます。




正常では3〜7日間です。月経期間が1〜2日で終わったり、8日以上続くような場合は異常と考えられます。




正常では1回の月経で150cc以下です。月経血量が150cc以上と非常に多い場合を過多月経といいます。
月経量が20〜30ccと少ない場合を過少月経といいます。出産後や更年期に一時的に起こる場合がありますが、特に心配はないと
考えられます。





正常月経では激しい痛みは伴いません。月経時に下腹部痛、頭痛、腰痛、吐き気などがある場合を
月経困難症
といいます。


周期

○排卵や月経と関係なく不正出血が起こる場合を機能性出血といいます。

○月経の始まる3〜10日前から「イライラ」、「眠気」、「情緒不安定」、「むくみ」、「肩こり」、「頭痛」、「腰痛」、「乳房のはり」などの
症状が見られる場合を
月経前緊張症といいます。

○18歳過ぎてもまだ初経が無い場合を
原発性無月経といいます。




月経異常の原因ははっきり分かっていないが、女性ホルモンのバランスの乱れが原因と言われ、ストレス、冷え、ダイエット、
不規則な生活などによりホルモン分泌が乱れ、月経異常となります。
ホルモンの乱れの他に女性の社会進出に伴う心理的要因、社会的要因も関係していると思われます。

仮にホルモンのバランスが乱れていればホルモン製剤の経口避妊薬などを用いて無月経状態にして治療をします。
心理的要素が強ければ精神安定剤を投与します。

出血や痛みなどの激しい場合は子宮筋腫、子宮内膜炎、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ、子宮ガンなどの病気によって起こることが
あります。




◎基礎体温を測ることは月経サイクルが正常かどうかの目安になります。
◎体を冷やさないようにしましょう。
◎喫煙は血流を悪くする原因の一つです。禁煙しましょう。




約2000年前に書かれたといわれる中国の医学書の「金匱要略」には「婦人妊娠病脈証」、「婦人産後病脈証」、「婦人雑病脈証」などに
分けられて女性の妊娠中の症状、産後の症状、女性特有の症状などを治療しております。

日本では曲直瀬道三が足利義輝、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などの天下人や一流大名の病気や戦傷を診察していましたが、
江戸時代になって世の中が平和になると大名の奥方や娘、裕福な商人の家族などの婦人病を診察しました。



 

桂枝茯苓丸
(ケイシブクリョウガン)
(第2類医薬品)
下腹部痛、肩こり、のぼせ、むくみ、頭痛、
足の冷え、、などのお血(おけつ)に伴う症状
がある人。
桃核承気湯と同様にオ血症状があればどちらかを用います。
女神散
(ニョシンサン)
(第2類医薬品)
女神散は神経症状が強い場合に用います。
当帰芍薬散
(トウキシャクヤクサン)

(第2類医薬品)
冷え症で貧血傾向があり、むくみ、腹痛、
全身倦怠感、頭重、腰痛、肩こりなどがある人。

当帰芍薬散には女性ホルモンの分泌をコントロール
していると言われる脳の視床下部や下垂体などの
働きを正常に戻して、女性ホルモンの乱れを治し、月経痛や不定愁訴を取り除く
作用があると言われます。
きゅう帰膠艾湯
(キュウキキョウガイトウ)

(第2類医薬品)
胃腸は丈夫で、下血、不正出血、出血による
貧血やめまいなどがある人。
桃核承気湯
(トウカクジョウキトウ)
(第2類医薬品)
体力があり、胃腸が丈夫で便秘する人。
のぼせ、不眠、不安、めまい、肩こり等が
ある人。桂枝茯苓丸と同様にオ血症状があればどちらかを用います。
加味逍遙散
(カミショウヨウサン)

(第2類医薬品)
肩こり、めまい、頭痛、不安など精神神経症状があり、疲労しやすい人。更年期障害に
よるものが多い。
四物湯
(シモツトウ)

(第2類医薬品)
出血が著しく、貧血があり、顔色が悪く、
皮膚がカサカサして枯操傾向のある人。
十全大補湯
(ジュウゼンタイホトウ)
(第2類医薬品)
産後、病後などで衰弱している人で、
疲労倦怠感、貧血などがある人。
黄連解毒湯
(オウレンゲドクトウ)

(第2類医薬品)
赤ら顔で、のぼせ、頭痛、不安、イライラ、
動機などがあり出血が多い人
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)

(第2類医薬品)
手足がひどく冷える人で、腰痛、腹痛、頭痛、
吐き気、のぼせなどがある人。
折衝飲
(セッショウイン)

(第2類医薬品)
下腹部の痛みや子宮出血、腰痛のある人。
産後の回復不全の人。
温経湯
(ウンケイトウ)

(第2類医薬品)
体力がなくて胃腸の弱い人で冷え症、
月経不順、月経困難などがあり、手足の
ほてり、唇の乾燥、肌荒れ、足腰や下腹部
の冷え、痛みなどがある人。不正出血、
のぼせなどの症状を伴うこともある。

温経湯には女性ホルモンの分泌をコントロール
していると言われる脳の視床下部や下垂体などの
働きを正常に戻して、女性ホルモンの乱れを治し、月経痛や不定愁訴を取り除く
作用があると言われます。
芍薬甘草湯
(シャクヤクカンゾウトウ)

(第2類医薬品)
激しい月経痛(腰痛、腹痛)のある人。
頓服として使います。

◎以上が良く使われる漢方処方で 煎じ薬 1日分 約120円+税〜500円+税
                      粉末  1日分 約180円+税〜270円+税です。

 


 

サフラン
(第3類医薬品)
サフランの雌しべを乾燥した物にはサフラナール
などが含まれ、鎮痛、通経作用があります。
月経不順、月経痛などに効きます。
(注)強い通経作用がありますので妊婦又は妊娠
の可能性のある人は使用してはいけません。

1日量約0.5gを数回に分けたものにその都度
熱湯を注いで飲用します。
サフラン(花柱)
1g 800円+税
紅花
(ベニバナ)
(第3類医薬品)
花にはサフロールイエローなどを含み、通経、
浄血作用があり、婦人病、冷え症、更年期障害
などの血行障害に用いられます。

(注)強い通経作用がありますので妊婦又は妊娠
の可能性のある人は使用してはいけません。

1日量約.5gを煎じて飲用します。
紅花(花)
 500g 3,000円+税
ヨモギ
(生薬名:艾葉)

(第3類医薬品)
葉にはジオネールなどの精油成分や少量の
アルカロイドを含み通経、止血作用があります。
月経量が多かったり、月経が長引いたりする人
にお勧めです。
1日量約.10gを煎じてお茶代わりに常用します。
艾葉 500g 1,000円+税
粉末 500g 2,000円+税
メハジキ
(生薬名:益母草)

(第3類医薬品)
全草にはレオヌリンなどが含まれ、子宮の運動
を促します。そのため月経不順、月経痛、産後の
腹部の痛みなどに用いられます。

1日量約.10g〜20gを煎じてお茶代わりに
常用します。
益母草(全草)
 500g 1,500円+税

 
     その人によって症状や体質は異なります。
あなたに合わせたオーダーメイドの漢方処方を調合します。
ぜひ一度やなぎ堂薬局にご相談ください。