| 温経湯(ウンケイトウ) | 
              
              
                | 生薬構成 | 
              
              
                半夏 4.0 麦門冬 4.0 当帰 3.0 川キュウ 2.0(キュウ=くさかんむり+弓) 芍薬 2.0 牡丹皮 2.0   
                人参 2.0 桂枝 2.0 阿膠 2.0 生姜 2.0 甘草 2.0 呉茱萸 1.0 | 
              
              
                | 温経湯原文 | 
              
              
                【金匱要略】 (婦人雑病門病篇) 
                問曰、婦人五十所、病下利、數十日不止、暮即發熱、小腹裏急、腹滿、手掌煩熱、唇口乾燥、何也。 
                師曰、此病屬帶下、何以故、曾經半産、オ血在小腹不去、何以知之、其證唇口乾燥、何知之、當以温經湯主之。 
                 
                呉茱萸三両 当帰二両 川キュウ二両 芍薬二両 人参二両 桂枝二両 阿膠二両 生姜二両 牡丹皮(去心)二両 甘草二両  
                半夏半升 麦門冬一升(去心)  
                 
                上十二味、以水一斗、煮取三升、分温三服。亦主婦人小腹寒、久不受胎、兼取崩中去血、或月水來過多、及至期不來。 
                 
                【勿誤薬室方函口訣】 
                此方ハ胞門虚寒ト言フガ目的ニテ、凡ソ婦人血室虚弱ニシテ、月水不調、腰冷、腹痛、頭疼、下血、種々虚寒ノ候アル者ニ用ユ。 
                年五十云々ニ拘ルベカラズ、反テ方後ノ主治ニ拠ルベシ。又下血ノ証、唇口乾燥、手掌煩熱、上熱下寒、腹塊ナキ者ヲ適証トシテ用ユ。 
                若シチョウ(※)塊アリ、快ク血下ラザル者ハ桂枝茯苓丸ニ宣シ。 
                其ノ又一等重キ者ヲ桃核承気湯トスルナリ。(※)チョウ=ヤマイダレ+微 | 
              
              
                | 温経湯解説 | 
              
              
                この漢方処方は「金匱要略」、「勿誤薬室方函口訣」、「古方薬嚢」、「医聖方格」にあり、「金匱要略」では年50代(年齢は20代でも 
                30代でも下記の症状があれば服用。)の婦人が病下利(矢数道明先生は下血の誤りと記載)、不正出血、腹が張り、手掌に煩わしい熱 
                があり、口唇が乾燥する等の症状がでています。 
                 
                これは一般的な婦人病で産後のオ血が下腹にある為に起こる症状なので温経湯の証です。 
                又「下腹の冷えにて妊娠しない者、不正出血が或る者、月経量が多い者、月経周期が乱れる者も温経湯を服用しなさい。」 
                と記載されています。 
                 
                「勿誤薬室方函口訣」には子宮機能低下と冷えの改善が目的で、子宮機能低下の婦人で月経不順、腰冷、腹痛、頭痛、下血等の症状が 
                ある場合に用います。 
                年齢が50代等にはこだわらない方がよく、20代、30代でも上記の症状があれば適応である。又子宮出血、唇口乾燥、手掌煩熱、 
                上半身のほてり、下半身の冷え、オ血塊が無い場合にも適応します。 
                但しオ血塊(子宮筋腫)があり、月経量が少ない者は桂枝茯苓丸を服用しなさい。 
                桂枝茯苓丸で効果が無い場合は桃核承気湯を服用しなさい。」と記載されています。 
                 
                帯下は冷えが原因で起こった場合に用います。 
                 
                【金匱要略】に下痢のことを「下利」と記載しています。大塚敬節先生の書物に、「昔の書物では「下痢」を「下利」と書き、ただ単に 
                「利」、「痢」と書く場合もあります。」と書かれています。 
                 
                近年の研究で 温経湯には女性ホルモンの分泌をコントロールしていると言われる脳の視床下部や下垂体などの働きを正常に 
                戻して月経痛や不定愁訴を取り除く作用があると言われます。 | 
              
              
                | 温経湯適応症 | 
              
              
                @ 体力は中間証からやや虚証(太陰病から少陰病)の場合が多いです。 
                 
                A 主に女性性器の寒冷が原因で起こる症状に適応します。 
                 
                B 若年期から中高年期と幅広く服用でき効果が期待できます。 
                 
                C 必須目標は、下腹部の寒冷、オ血症状が無い事です。 
                 
                D 参考確認症状は手掌の煩熱、手掌の乾燥、口唇の乾燥、月経不順、帯下、不正出血、腹痛、下痢、貧血、下半身の冷えと上半身の 
                のぼせ等の症状があれば適応症と言える。 
                 
                E 以上の症状から温経湯の適応疾患は 
                  ・生理不順、月経困難症 
                  ・帯下 
                  ・不正出血 
                  ・更年期障害、血の道症 
                  ・不妊症、習慣性流産 
                  ・主婦湿疹 
                  ・手あれ 
                  ・口唇の乾燥などに適応されます。 | 
              
              
                | 各種生薬の役割 | 
              
              
                温経湯に含まれる呉茱萸、生姜、桂枝は温剤と呼ばれ、寒冷による下腹部の障害(月経不順、、帯下、冷えが原因の不妊症)を 
                取り除きます。 
                 
                当帰、芍薬、川キュウ(キュウ=くさかんむり+弓)、阿膠には止血作用と貧血を補う補血作用があり、阿膠、麦門冬、当帰には乾燥を 
                防ぐ作用があります。 
                 
                当帰、川キュウ、牡丹皮はオ血を取り除き、ホルモンバランスを改善します。 
                 
                人参は滋養強壮作用、半夏は気の上衝を防ぎ、甘草は諸薬の働きを調和します。 
                 | 
              
              
                | 参考処方 | 
              
              
                実証・・・・桃核承気湯 
                 
                中間証・・キュウ帰膠艾湯、桂枝茯苓丸料、温清飲など 
                 
                虚証・・・・当帰四逆加呉茱萸生姜湯、当帰芍薬散、八味丸料、当帰建中湯など | 
              
              
                | 温経湯の服用方法 | 
              
              
                煎じる温経湯の服用方法 
                煎じる温経湯の服用方法ですが1日分(1袋)をアルミ鍋又はガラス鍋、ヤカンに入れて、そこに水600ccを入れます。 
                水と煎じ薬が入った容器を弱火で約30分ほど煎じます。 
                煎じ終われば漢方薬が入った袋を取り出してから滓を漉し、1日3回、出来れば人肌程度の温かい煎じ液を食前(食事の60分前)又は 
                食間(食事と食事の間、食後約2時間)に服用してください。 
                (漢方薬によっては冷たくして服用する場合もあります。胃腸の調子が良くない場合は食間服用をおすすめします。) 
                「味が苦手」、「飲みにくい」場合は蜂蜜などの甘味料を加えても結構です。 
                 
                一般医薬品や医師より処方された薬を服用されている場合は60分以上間を空けてから服用してください。 
                 
                粉末の温経湯の服用方法 
                粉末の温経湯の服用方法ですが1日分(3包)を1回1包づつ食前(食事の60分前)又は食間(食事と食事の間、食後約2時間)に 
                水又はぬるま湯にて服用してください。 
                (出来ましたら熱湯に粉末を入れて漢方薬を溶かして、人肌程度の温度になった漢方薬配合の液体の服用をおすすめします。) 
                「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても結構です。 | 
              
              
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