薬湯 松葉 
 
<薬湯 松葉>
アカマツはマツ科ーマツ属に属する植物で北海道南部から本州、四国、九州の日本各地と朝鮮半島及び中国東北部
の山間部や野原の日の当るところに生えている樹木です。

日本でマツ科ーマツ属に属するのは「赤松(あかまつ)」と「黒松(くろまつ)」、「五葉松(ごようまつ)」、
「這松(はいまつ)」がマツ属に属し、中国では「シナマツ」が属します。

他にマツ科の植物として「椴松(とどまつ)マツ科ーモミ属」、「蝦夷松(えぞまつ)マツ科ートウヒ属」、
「唐松(からまつ)マツ科ーカラマツ属」があります。

ちなみに赤塚不二夫先生の代表的なマンガの「おそ松くん」に出てくる6人兄弟の「カラ松」と「トド松」は松の木
からネームをつけたと言われます。
おまけで6人兄弟の名前も書いておきます。
「おそ松」、「カラ松」、「チョロ松」、「一松」、「十四松」、「トド松」
6人兄弟のお父さん・・・松造
6人兄弟のお母さん・・・松代

赤松は材に粘りがあるので建築用資材に最適で、黒松は庭木として用いられます。

松の名前の由来ですが日本では古くから神聖な木として考えられていたようで(中国では松、竹、梅を「歳寒の三友」
と呼んでいる。)神が松の木に天から降りると考えられており、それを待つ(マツ)という説と、松の葉が二股に
分かれている様子から股(マタ)が長い時を経て転訛して、マツ(松)という名がついたという説もあります。

中国では仙人が松葉を食していたと言われ、日本では修験者が厳しい山行の合間に松葉を食べて
栄養補給を行い、山行を乗り切ったと言われます。

神農本草経には長生きが出来る薬草として掲載されています。
神農本草経の上品に松脂が記載されています。
一名松膏。一名松肪。味苦温。生山谷。治癰疽悪瘡。頭瘍白禿。疥ソウ風氣。安五藏。除熱。久服輕身不老延年。
と書かれています。

時代が下って16世紀の明の時代に編纂された「本草網目」によると
「関節痛と取り除き、髪の毛を生やし、内臓を強化し、滋養強壮作用によって長生きが出来る。」と書いてあります。

万葉集には松が題になっている句は77首あり、ここでは全部の句は載せられませんので数種類の句を載せます。
「八千種(やちくさ)の、花は移ろふ、常盤(ときは)なる、松のさ枝を、我れは結ばな」詠み人・・・大伴家持

「松蔭の、清き浜辺に、玉敷かば、君来まさむか、清き浜辺に」詠み人・・・藤原八束

「白波の、浜松の木の、手向けくさ、幾代までにか、年は経ぬらむ」詠み人・・・山上憶良

松には油が多く含まれています。松に含まれている油は「テルペン油」と言われ、戦中や終戦直後には松の根から
テルペン油を採取してガソリンの代用として利用していました。

松といえば「松ぼっくり」ですが、松ぼっくりを形成する前の種子を松の実(生薬名 海松子)と言い、これは非常に
栄養価が高く、薬膳料理(韓国料理のサムゲタン)やイタリア料理(バジルソース)、中華料理などの材料としても
珍重されています。
松の実は朝鮮五葉松から採取します。

余談ですが秋の味覚の王様といえばマツタケですが、マツタケは松の木に寄生して成長する菌根菌で、
日本ではアカマツ,クロマツ,ハイマツ,エゾマツ,ツガやコメツガに寄生しますが特にアカマツが大部分を
占めています。

さらに余談を続けますが昔から赤松を女松(オンナマツ)又は雌松(メマツ)と言い、黒松を男松(オトコマツ)又は
雄松(オマツ)と呼びました。
赤松が女松と言われる由来として、赤松の松葉が黒松の松葉と比べると長くて柔らかく、そして細いから女性を
イメージしたと思われます。

赤松は山間部や野原でよく見られる樹木ですが、黒松は海岸線沿い多く見られます。
(黒松は塩に強いので潮風が吹く海岸線に多く見られます。)

余談・・・宮城県の観光名所の松島は日本三景の一つに挙げられ、美しい松林と松島湾に浮かぶ島々がとても
美しい観光地です。
上記で「赤松は山間部や野原でよく見られる樹木」と書きましたが、何故か松島湾の内陸部と沿岸の島々は
「赤松」で覆われており、外洋部の島々には「黒松」が覆っています。

赤松はどんなに土地が痩せていても、山火事や火山の噴火で土地に植物が無くなっても、最初に根をおろして
育つ木が赤松と言われています。
山口県では赤松を「根性のある木」と呼び、県の木に指定しております。

赤松と黒松には漢方薬に欠かせない植物が付着しております。
3年から4年前に伐採した松の切り株の根元に付着する菌を「マツホド」(生薬名 茯苓(ぶくりょう)と言います。
マツホドは愛媛県の絶滅の恐れのある野生生物として「愛媛県レッドデータブック」に載っています。

愛媛県の松と言えば夏目漱石の小説「坊ちゃん」に出てくる四十島(別名 ターナー島)のターナー松が有名です。

余談・・・・家相風水で「陽木」、「陰木」と言われる木があり、「陽木」とは庭に植えると幸福が訪れる木を指し、
マツは家相では「陽木」に該当します。(信じる信じないはあなた次第です。)

松は江戸時代に庭園樹として多くの人に愛されました。
庭木として江戸の人に愛された木を「江戸五木」と言い、「木斛(モッコク)」、赤松(アカマツ)」、「榧(カヤ)」
「糸檜葉(イトヒバ)、「犬槇(イヌマキ)」などが江戸五木と言われます。

松葉についての詳しい内容は「生薬ー薬草ー松葉」をご覧になってください。
<薬効>
赤松葉にはアルファ・ガンマーピネン、カンフェン、ヘランドレン、ボルネオールなどの精油成分とユルペリ酸、サビナ酸
などの蝋質とビタミンAとビタミンCとビタミンK、クエルセチンや松ヤニの成分であるピネン、ジペンテン、リモネンなど
のテルペン油が多く含まれています。

松葉に含まれる精油成分には保温効果、鎮静効果があり、血行を促進させて体を温め、肩こり、神経痛などの痛みを
緩和させます。他に松葉の良い香りが気持ちをリラックスさせます。
<使用方法>
松葉30グラムを布袋に入れます。布袋に入れた松葉をそのまま浴槽に入れるか、やかんかお鍋に布袋と水を入れ
約10分程煮出し、煮出し終われば布袋ごと浴槽に入れて下さい。
(入浴中に布袋を揉むと成分がよく出ます。)

浴槽に入れる薬湯の他に部分湯と言う方法があり部分湯の代表が足湯と手湯です。

足湯は煮出した薬草を約40℃(やや熱め)に冷まし、風呂桶などに薬湯を入れ、その中に両足を入れ、
冷めたら差し湯をしながら約20分程入り、額に汗が出てくれば効果が現れてきます。

手湯は足湯と同じく約40℃ほどの薬湯に約20分程手を浸しながらマッサージを施し、手が温まってくれば
効果が現れてきます。
<注意事項>
@本品は天然物(生薬)で性質上吸湿しやすいものがあります。
そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因になることがあります。

A開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。

B本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、食べたりしないようにご注意ください。

C幼児の手の届かない所に保管してください。

D他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。)


薬草の入浴剤の注意点
@・・・お風呂から出る時には必ず薬草のエキスをシャワーで洗い流して下さい。
薬草のエキスが身体に付着したままにしておくと人によって症状がひどくなる場合があります。

A・・・当日使った薬草の湯は翌日には使用しないでください。
当日使った入浴剤は必ず入浴後に処分してください。

B・・・お風呂の残り湯を洗濯機で使用する場合は衣類に薬草の色が付着する場合がありますので注意してください。
 
<お値段>
日本産 松葉(第3類医薬品) 100グラム 340円+税

日本産 松葉(第3類医薬品) 25グラム(1パック) 100円
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<やなぎ堂薬局 住所>
郵便番号 790-0014
愛媛県 松山市 柳井町 1-2-10 やなぎ堂薬局 柳井町店 
電話番号/FAX番号 089-921-9401
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