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薬用植物ー生薬ー薬草ー健康茶ー桃仁ーとうにんートウニンについて。やなぎ堂薬局

TEL / 089-921-9401

〒790-0014 愛媛県 松山市 柳井町 1-14-1

桃仁ーとうにんートウニン Prunus persica(L)Batsch

桃仁ーとうにんートウニンのご紹介

 桃仁、とうにん、トウニン
 基原植物和名
桃、もも、モモ
 生薬名
桃仁、とうにん、トウニン(桃核仁、桃核、光桃仁、桃仁泥) 

小桃仁、大桃仁、大扁桃仁

桃葉 

桃花、白桃花、はくとうか、ハクトウカ
基原植物学名(ラテン語名) 
Persicae semen 
生薬英語名 
Peach kernel
 植物英語名
Prunus persica(L)Batsch
 分布
桃(もも)はサクラ属ーばら科の植物で世界各地で栽培されている身近な植物です。

桃が日本に渡来した時期ははっきりと判りませんが、弥生時代の遺跡から桃の種が
見つかっており、弥生時代、又はそれより古い時代に渡来したと思われます。

2009年に奈良県桜井市にある纏向(まきむく)遺跡より桃の種子が大量に出土し、
放射性炭素年代測定で調べてみたら卑弥呼の時代(西暦130年から230年)の
種子であることが判明しました。
もしかしたら不老不死を願って卑弥呼が食べたかな?

桃仁は神農本草経の中薬(中品)に記載されており、内容として
主オ血、血閉チョウカ、邪気、殺小虫。桃花、殺悪鬼、令人好顔色。桃梟、微温。
主殺百鬼精物。桃毛、主下血カ、寒熱積聚、無子。桃蠹、殺鬼邪悪不祥。生川谷。

と書かれています。

同じく古代中国の書物の金匱要略ー果実菜穀禁忌併治第二十五では
桃子多食。令人熱。仍不得入水浴。令人病淋瀝寒熱病。
(桃を沢山食べると熱が出ます。熱が出た状態で水に浸かると膀胱炎になります。」
と書かれています。

平安時代の書物によれば桃は水菓子として食されていましたが、この時代の桃の果実は
余り美味しくなく、花の観賞用として愛されていました。

参考・・・万葉集にも桃を詠んだ歌があり、このことから桃は観賞用、歌の題名と
して用いられたと思います。

万葉集に載せられているモモの句
「向つ峰に立てる桃の木ならめやと人ぞささやく汝が心ゆめ」・・・詠み人 不明

「はしきやし吾家の毛桃本しげみ花のみ咲きてならざらめやも」・・・詠み人 不明

「わが屋前の毛桃の下に月夜さし下心良しうたてこの頃」・・・詠み人 不明

「大和の室原の毛桃本繁く言ひてしものを成らずは止まじ」・・・詠み人 不明

「桃花褐の浅らの衣浅らかに思ひて妹(いも)に逢はむものかも」・・・詠み人 不明

「春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出でたつ少女」・・・詠み人 不明

「桃の花紅色ににほひたる面輪のうちに青柳の細き眉根を咲みまがり朝影見つつ
少女らが手に取り持たる真鏡二上山に木の暮れの繁き谷邊を呼びとよめ朝飛び渡り
夕月夜かそけき野辺にはろばろに鳴くホトトギス立ちくくと羽ぶりに散らす
藤波の花なつかしみ引きよぢて袖にこきれつ染まば染むとも」・・・詠み人 不明


江戸時代の川柳に「枇杷と桃葉ばかりながら暑気払い」と詠まれており、
昔は体内に籠った熱を枇杷葉や桃葉の力で体外に排出させようとしました。

明治以降に外国より水蜜桃と言う桃が輸入されはじめ、この桃を素に品種改良を
進めて現在の私達が美味しく食している甘味の強い桃が完成しました。

桃には昔から不思議な力が宿ると言われており、中国では神の力が宿る木として
邪気払いの効果がある、不老不死の効果がある、桃源郷にある植物など
大変縁起の良い植物といわれ、西王母が管理した不老不死の仙桃伝説、
ユートピアを示す桃源郷などがあります。

日本では古事記によるとイザナギが亡き妻のイザナミを追って死者の国の
黄泉の国に入るが、変わり果てたイザナミを見て、黄泉の国から逃げ出し、
地上と黄泉の国との境と言われる黄泉比良坂まで逃げて、そこに生えていた
桃の実を投げて、黄泉の亡霊を追い返し、その功績によりイザナギが桃の実に
「「オオカムヅミ命」と言う神名を授けられました。

他に日本各地にある桃太郎伝説も有名です。

余談・・・・家相風水で「陽木」、「陰木」と言われる木があり、
「陽木」とは庭に植えると幸福が訪れる木を指し、モモは家相では「陽木」に
該当します。(信じる信じないはあなた次第です。)

更に余談は続きますが、京都の平安神宮では毎年節分の日に
「大儺之儀(だいなのぎ)」と云われる節分行事が行われます。
これは平安王朝の頃より行われている朝廷の祓の行事で、この時に桃の木で
作った弓と桃の木で作った杖で邪気を祓います。

日本では桃の花が咲く3月3日頃は「桃の節句」と言い、女の子のお祭りです。

ちなみに他の節句ですが
1月7日は人日(じんじつ)の節句ですがこの時期に七草粥を食べることから
七草の節句とも言われます。
3月3日は上巴(じょうみ)の節句ですがこの時期に桃の花が咲くので桃の節句
とも言われます。
5月5日は端午の節句ですがこの時期に菖蒲の花が咲くので菖蒲の節句
とも言われます。
7月7日は七夕の節句です。この節句は竹、笹を用います。
9月9日は重陽の節句ですがこの時期に菊の花が咲くので菊の節句
とも言われます。

余談・・・ことわざで「桃栗三年柿八年」と言い種を蒔き果実が出来るまでの
日数を指します。
「桃栗三年柿八年」の後に続く言葉は
「柚子は九年」、「柚は遅くて十三年」、「柚子の馬鹿めは十八年」、
「梅は酸いとて十三年」、「梅は酸い酸い十八年」、
「枇杷は九年で登りかねる梅は酸い酸い十三年」、「枇杷は九年でなりかねる」
などがあり、調べれば他にもあると思います。

桃の種子を「桃仁」と言います。

トウニンの名前の由来としてトウニンの「トウ」は「桃(モモ)」を指しており、
トウニンの「ニン」は「仁」と書き、これは種子を意味します。
つまり「桃仁」は「桃の果肉を取り除いた種子」の事を指します。

参考・・・桃仁と同じく「仁(種子)」のつく生薬は「杏仁」、「酸棗仁」、
「カ楼仁」、「郁李仁」、「柏子仁」、「麻子仁」、「ヨク(※1)苡仁」
などがあります。
(※1ヨク=くさかんむり+意)

後、「桃」の漢字が付く食べ物も多々あり、「扁桃(アーモンド)」、
「桜桃(サクランボ)」、「唐桃(アンズ)」、「胡桃(クルミ)」、
「陽桃(キウイフルーツ)」、「酸桃(スモモ)」などの果物や食べ物に
「桃」の漢字がつきます。
理由ですが、古来より東洋では桃は果物の代表格と考えられてきたからです。
ちなみに西洋で果物の代表格は「林檎(リンゴ)」です。

参考・・・モモは岡山県の県の木に指定されています。やはり桃と言えば桃太郎、
桃太郎と言えば岡山県ですな。ちなみに岡山県の鳥はキジです。

余談・・・中国では新しい生薬を「八新(はっしん)」と言い、
新しければ新しいほど良い生薬です。
八新と言われる生薬は
「薄荷」、「紫蘇葉」、「菊花」、「桃花」、「赤小豆」、「沢蘭」、「款冬花」、
「槐花」などが八新と言われます。
八新と言われる生薬は古くなれば体に良い成分が揮発しますので、
新しい生薬を使用します。

八新とは逆に古ければ古いほど薬効効果が優れている生薬を
「六陳(りくちん)」と言います。

中国では古いものを「陳久品」と言い、ミカンの果皮は古ければ古いほどよい生薬で、
古いミカンの果皮を「陳橘皮」、「陳皮」と言います。

他に古ければ良い生薬が多々あります。
六陳と言われる生薬は
「陳皮と橘皮」、「枳実と枳穀」、「呉茱萸」、「半夏」、「麻黄」、
「狼毒(ろうどく)」などが六陳と言われます。
六陳と言われる生薬が古ければ良い理由として、六陳には「精油成分」などが
含まれております。
これらの生薬を寝かせることにより精油の揮発を促したり、空気で酸化させて
作用を弱めたり、薬効成分の凝縮をさせたりします。

ちなみに「狼毒」はクワズイモの根茎ではないかと言われます。
狼毒は「神農本草経ー下薬」に猛毒薬のような記載がされており、非常に危険な生薬と
思われます。
後、正倉院の「種々薬帳」にもその名前が見られます。
(聖武天皇も飲用されたかもしれません。)

後、金元医学の第一人者の李東垣が「荊芥」、「大黄」、「木賊」、「芫花」、
「槐花」も古いほうが良い。と述べています。
六陳と言われる生薬も古すぎてもいけません。大体採取してから2年から3年物が
良い生薬と言われます。

※昔からの疑問で「槐花」は古いのが良い?新しいのが良い?

一般的には「六陳」・「八新」と言います。今回は「白桃花」がありましたので、
「八新」から書かせていただきました。


ミカン(温州みかん)はミカン属ーみかん科の植物で、薬用部分は完熟前の青い状態の
果実の果皮を採取し、乾燥させた物やオレンジ色に完熟した果実を蒸してから果皮を採取し、
乾燥させた物などが薬用として用います。
特徴・形態 
モモの特徴として樹高は3メートルから5メートルぐらいの高さで主に果樹として
栽培されています。

葉は短い葉柄があって互生しており、葉の形は皮針形で先は尖り、葉の長さは
8センチから15センチほどあります。
桃の若葉には少し毛があります。

花は3月から4月に葉が出る前か若葉と同時に白色又は淡紅色の5弁花を咲かせます。
ガクは5枚で毛があります。
メシベは1個であるがオシベは多数あります。

7月から8月に薄桃色帯びた薄い皮に包まれた直径20センチメートルぐらいの
果実をつけます。
この果実は柔らかくて水分を多く含んでいます。果実を食すればとても甘く
みずみずしいです。
しかし果実は傷むのが早く、虫や鳥の被害に遭いやすいので採取すればすぐに
食するか、缶詰やジュースなどに加工して利用します。

桃の果実は核果で初夏に熟します。その熟した桃から種を取り出して外側の硬い殻を
割って中の種子を取り出し、その種子を風通しの良い場所で日干しを行って乾燥させます。

余談・・・桃仁は杏仁とよく似ているが桃仁は細長く、全体的に丸みがあって
肉厚である。
脂肪分は桃仁のほうが多く含まれています。

桃ノ葉は初夏から真夏頃に青々とした綺麗な葉を採取して風通しの良い場所で日干しを
行って乾燥させます。

桃の蕾は3月から4月に半開の花蕾を採取して風通しの良い場所で日干しを行って
乾燥させます。

余談・・・3月3日の誕生花は「モモ」で、花言葉は「天下無敵」です。
(意味が判りません。)

(桃仁は日本薬局方に記載されています)
 
成分 
モモの成分として
種皮にはオレイン酸、ステアミン酸、パルミチン酸、アミグダリンなどが
含まれております。
花にはケンフェロール配糖体、クマリンなどが含まれております。
葉にはシュウ酸マグネシウム、カリウム塩、タンニン、アミグダリンなどが
含まれております。

注意・・・アンズの種や桃の種や梅の種には青酸化合物のアミグダリンが
含まれておりますので十分乾燥していない生の種は使用しないで下さい。

桃の種から桃仁水が作れますが、桃仁の使用量が非常に難しいので一般人は
扱わないほうが得策です。
使用部位 
桃の種子(生薬名 桃仁、とうにん、トウニン)(日本薬局方)

半開の花蕾(生薬名 白桃花、はくとうか、ハクトウカ)(販売休止)
採取時期と管理・保存方法 
桃の種子(桃仁)の場合は
桃の果実が熟する7月から8月頃に桃の果実を採取して、果肉から中の種を取り出します。
種の外側の硬い殻を割って中の種子を取り出し、その種子を風通しの良い場所で日干しを
行って乾燥させます。

桃の葉の場合は
初夏から真夏頃に新鮮で青々とした綺麗な葉を採取して水洗いを行ってから風通しの良い
場所で日干しを行って乾燥させます。

桃の花蕾(白桃花)の場合は
3月から4月頃に半開の桃の花蕾を採取して風通しの良い場所で日干しを行って
乾燥させます。
 薬効、服用方法
桃仁は日本薬局方によると漢方処方用薬である。婦人病、瀉下薬とみなされる処方
及びその他の処方に配合されている。

他に桃仁を煎じて服用するとオ血(※1)が原因の腹痛、炎症などを鎮める作用があり、
月経困難、月経痛、下腹部痛、便秘などに効果があると言われます。
(※1オ=ヤマイダレ+於)

桃仁を煎じる場合は
桃仁約3グラムから5グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で
15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて服用します。

桃仁と他の薬草(ヨクイニン、艾葉、ゲンノショウコなど)と一緒に煎じて服用しても
良いです。

参考・・・桃仁を服用する場合の注意点ですが
桃仁には子宮を収縮させる作用があるので妊娠中に服用する場合には流産の恐れがあるの
注意が必要です。


桃仁の粉末の場合は
桃仁の粉末を1回量約1グラム~2グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、
お湯に混ぜて服用してください。
(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)

桃仁の粉末を単独で服用しても良いが、牛乳、野菜ジュース、スープなどに混ぜて服用しても
良いですし、小麦粉と混ぜて料理に使用されても結構です。

「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで
服用しても結構です。

咳止め薬として桃仁と水で作った桃仁水がありますが、
これは医師の指示、指導が必要です。
(桃仁水の代わりに桃仁と同じようにアミグダリンを含んでいる杏仁で作った杏仁水が
ありますが、これも桃仁水と同じように医師の指示、指導が必要です。)

桃の花蕾(白桃花)の場合は
開花前の桃の蕾2グラムから3グラムを水200ccから300ccに入れて弱火で
15分から20分ほど煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて服用します。

白桃花1グラムから2グラムを粉末にして1日2回から3回に分けて服用しても
効果があります。

参考・・・白桃花を服用する場合の注意ですが
白桃花には緩下作用があるので妊娠中の女性が服用する場合は十分注意してください。
桃の葉の入浴剤 
桃の葉を入浴剤として利用すれば汗疹、汗疹が原因の痒みなどに非常に効果があります。

桃の葉の入浴剤の作り方は
桃の葉約30グラムを布袋に入れます。(布袋は巾着袋でも、使い古した靴下でも、
ストッキングでも構いません。)

布袋に入れた桃の葉を約1リットルぐらいの水と一緒にお鍋かやかんに入れ
約15~20分程煮出し、煮出し終われば布袋ごと浴槽に入れて下さい。
(入浴中に布袋を揉むと成分がよく出ます。)

桃の葉単独で入浴剤を作っても良いですがヨモギ、川キュウ、陳皮などを混ぜて
入浴剤を作ればより高い効果を得ることが出来ます。

薬草の入浴剤の注意点
①・・・お風呂から出る時には必ず薬草のエキスをシャワーで洗い流して下さい。
薬草のエキスが身体に付着したままにしておくと人によって症状がひどくなる場合が
あります。

②・・・当日使った薬草の湯は翌日には使用しないでください。
当日使った入浴剤は必ず入浴後に処分してください。

③・・・お風呂の残り湯を洗濯機で使用する場合は衣類に薬草の色が付着する場合が
ありますので注意してください。
生薬との組み合わせ 
桃仁+牡丹皮・・・桃仁と牡丹皮を組み合わせることにより体内で停滞している
血滞やオ血を改善して「血」の流れをスムーズにします。この場合の牡丹皮、桃仁は
実証の駆オ血剤として用いられます。
(例⇒桂枝茯苓丸、桂枝茯苓丸加ヨクイニン、腸癰湯、大黄牡丹皮湯、騰竜湯など)
血塊を取り除く作用があります。

桃仁+桂皮・・・桃仁と桂皮を組み合わせると熱が原因のオ血を改善して「血」の流れを
スムーズにします。
(例⇒桂枝茯苓丸、桂枝茯苓丸加ヨクイニン、桃核承気湯など)
桃仁を含む漢方処方 
桂枝茯苓丸

桂枝茯苓丸加ヨクイニン

潤腸湯

潤燥湯

大黄牡丹皮湯

疎経活血湯

桃核承気湯

抵当丸

腸癰湯

騰竜湯など
参考資料 
神農本草経ー中品
桃核。味苦平。生川谷。治お(※1)血血閉か(※2)。邪氣。殺小蟲。桃華。
殺注惡鬼。令人好色。桃梟。殺百鬼精物。桃毛。下血か(※2)。寒熱積聚。無子。
桃蠹。殺鬼。辟不祥。

(※1ーお=ヤマイダレ+於)(※2-か=ヤマイダレ+か)

薬徴
主治オ(※1)血少腹満痛、故兼治腸癰、及婦人経水不利。

古方薬議
味苦平。オ(※1)血、血閉か(※2)ヲ主リ、ガイ(※3)逆上気、
疼痛ヲ止メ、大便ヲ通潤ス。

(※3-ガイ=亥+欠)
その他 
桃の学名はPrunus persica(プルヌウス・ペルシカ)と言い、ペルシカとはペルシャ
つまりイランを指します。
元々桃はペルシャが原産と考えられていましたが、今は中国西北部が原産と言うことが
判りました。

桃の花が咲く時期は二十四節気ー七十二候ー啓蟄ー次候ー「桃始笑」と言います。
注意事項 
①本品は天然物(生薬)で性質上吸湿しやすいものがあります。
そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する
原因になることがあります。

②開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。

③本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、
食べたりしないようにご注意ください。

④幼児の手の届かない所に保管してください。

⑤他に容器に入れ替えないで下さい。
(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。)      
 妊婦に対する桃仁の効能、効果について
東洋医学ですは妊娠中の女性に対して投与する漢方薬や生薬については、長年研究されて確率しており、
2000年位前の時代に書かれた書物の「黄帝内経素問ー六元正紀大論」や金匱要略ー婦人妊娠病脉」や
「備急千金要方」などには妊娠中に投与してよい漢方薬や妊娠時の漢方薬の投与注意点について細かく
指示がされています。

指示の内容として
妊娠中の女性は原則として「虚証」と考えられる。
(体型、体質が「実証」ではないかと思われても「虚証」と考える。)

妊娠中は「虚証」と考えるので「実証」で用いる治療方法(汗法、瀉下法、小便の利(強い利尿剤)
これらを「胎前の三禁」と言う。「胎前の三禁」は妊娠中に用いてはならないと言われてきました。

「胎前の三禁」の「汗法」ですが
「汗法」は発汗作用がある「麻黄」が配合された漢方薬(葛根湯、麻黄湯、小青竜湯など)を
服用することをこう言います。

「胎前の三禁」の「瀉下法」ですが
「瀉下法」は大便の排泄を促す下剤成分を含んだ「大黄」や「芒硝」、「麻子仁」が配合された
漢方薬(茵陳蒿湯、大柴胡湯、大黄甘草湯、麻子仁丸、調胃承気湯、桃核承気湯など)を
服用することをこう言います。

「胎前の三禁」の「小便の利」ですが
「小便の利」は利尿作用のある「半夏」や「乾姜」、「附子」、「呉茱萸」、「ヨクイニン」、
「厚朴」などが 漢方薬を服用することをこう言います。

妊娠中に出来れば上記で述べた「胎前の三禁」は余り服用しないことをオススメします。

東洋医学では
①・・・妊娠中の女性が安心して服用出来、お腹の胎児にも良い作用のある漢方薬や生薬を
「安胎薬」と言います。

「安胎薬」と言われる漢方薬は「当帰芍薬散」、「当帰散」、「白朮散」などがあります。
(3種類共に金匱要略婦人妊娠病脈証に掲載されています。)

「安胎薬」と言われる生薬は木香、黄ゴン、杜仲樹皮、艾葉、人参、香附子、黄耆、白朮、白芍薬、
蘇梗(紫蘇の茎)、秦ギョウ、陳皮、冬虫夏草などです。

②妊娠中の女性には慎重に用いる生薬や漢方薬を「慎用薬」と言います。
「慎用薬」と言われる生薬は「乾姜」、「ヨクイニン」、「牡丹皮」、「附子」、「大黄」、
「五味子」、「呉茱萸」、「紅花」、「枳実」、「牛膝」、「酸棗仁」、「厚朴」、「桃仁」、
「薄荷」、「芒硝」、「半夏」、「麻子仁」などを指します。

上記で述べた妊娠中には慎重に用いる生薬を含む漢方薬は
「胃苓湯」、「茵陳蒿湯」、「温経湯、「黄連湯」、「乙字湯」、「葛根加朮附湯」、
「葛根湯加川キュウ辛夷」、加味帰脾湯」、「加味逍遙散」、「帰脾湯」、「キュウ帰調血飲」、
「九味檳榔湯」、「荊芥連翹湯」、「桂枝加芍薬大黄湯」、「桂枝加朮附湯」、桂枝加芍薬知母湯、
桂枝人参湯、桂枝茯苓丸、桂枝茯苓丸加ヨクイニン、五積散、牛車腎気丸、呉茱萸湯、柴陥湯、
柴胡加竜骨牡蛎湯、柴胡桂枝乾姜湯、柴胡桂枝湯、柴朴湯、柴苓湯、三黄瀉心湯、酸棗仁湯、
滋陰至宝湯、四逆散、炙甘草湯、芍薬甘草附子湯、潤腸湯、小柴胡湯、小柴胡湯加桔梗、石膏、
小青竜湯、小半夏加茯苓湯、辛夷清肺湯、参蘇散、神秘湯、真武湯、清上防風湯、清暑益気湯、
清肺湯、川キュウ茶調飲、疎経活血湯、大黄甘草湯、大黄牡丹皮湯、腸癰湯、大建中湯、大柴胡湯、
大承気湯、大防風湯、竹茹温胆湯、治打撲一方、調胃承気湯、釣藤散、通導散、桃核承気湯、
当帰四逆加呉茱萸生姜湯、当帰芍薬加附子湯、当帰湯、二朮湯、二陳湯、人参湯、人参養栄湯、
排膿散及湯、麦門冬湯、八味地黄丸、半夏厚朴湯、半夏瀉心湯、半夏白朮天麻湯、茯苓飲、
茯苓飲合半夏厚朴湯、平胃散、防風通聖散、麻黄附子細辛湯、麻杏ヨク甘湯、麻子仁丸、
よく苡仁湯、六君子湯、苓甘姜味辛夏仁湯、苓姜朮甘湯、六味丸など

③妊娠中の女性に絶対投与してはいけない生薬や漢方薬を「禁忌薬」と言います。
「禁忌薬」と言われる生薬は「蛤カイ」、「麝香」、「牛黄」、「海馬」などの動物生薬と
「芒硝」などの鉱物を言い、これらは早期流産や早期出産をもたらす作用があるので禁忌薬に
なります。

桃仁は慎用薬ですので注意が必要です。
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参考文献 
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 
桃の葉、桃仁(トウニン)、白桃花の写真 
桃ー花 桃ー葉
桃ー花
 
桃ー葉
 
桃ー果実 桃仁ー原型
桃ー果実
 
桃仁ー原型
 
白桃花ー原型 桃の葉ー刻み 
白桃花ー原型
 
桃の葉ー刻み
 
 桃の葉ー粉末  
桃の葉ー粉末
 
 


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