<薬湯 ヨモギ 蓬葉>
ヨモギはキク科ーヨモギ属に属する植物で、本州から九州の日本各地と朝鮮半島の野原や道ばたや民家の庭先で
普通に見られる多年草の植物です。

ヨモギは大伴家持が詠んだ歌が万葉集 巻 十八の長歌で記載されています。
(余りに長いのでここでは書きません。)
大伴家持の歌では菖蒲と一緒にヨモギが詠われており、昔はヨモギと菖蒲の香りには邪気を追い払う力があると
信じられていました。

ヨモギは薬食草と言われ、煎じて服用する薬やお灸の材料としての薬にもなり、ヨモギ餅やお浸し、天ぷらにして
食する事も出来る便利や植物です。

ヨモギの茎葉を丹念に揉んで作るのを「艾(モグサ)」と言い、昔から石臼で何度もひいて製造しました。

お灸をすることを「灸(ヤイト)をすえる」と言いますが、「ヤイト」は元々「ヤケド」から変化した言葉と言えます。

お灸に用いるモグサは江戸の昔から伊吹山で採れたヨモギで作った「伊吹モグサ」が有名ですが、
今は伊吹山がある滋賀県ではモグサの製造は余りおこなわれていません。
しかし今も昔も伊吹山は薬草の宝庫です。

余談・・・ 「江州、伊吹山の畔、柏原、本家亀屋左京、薬艾宜し。
ごーしゅう、いぶきやまのほとり、かしわばら、ほんけかめやさきょう、くーすりもぐさ、よーろし
これは江戸時代に旅のヨモギ売り商人が口ずさみながら売り歩いたキャッチフレーズで、これに節を
つけて売り歩いておりました。

余談・・・・3月3日のひな祭りに雛人形と桃の花と菱餅が飾られ、女の子の成長を祝います。
ひな祭りに欠かせない菱餅にはヨモギが使用されています。

菱餅は下から白色、真ん中が緑色、一番上がピンク色の構成で出来ています。(諸説あります。)
これは雪の上に緑が見え始め、木々にピンク色の花が咲く春をイメージにして作られております。

一番下の白色は菱の実を使っており、菱の実には胃腸を整える作用があります。
真ん中の緑色はヨモギを使用しており、生理不順、子宮出血などの女性の病気治療に効果があります。
一番上のピンク色は江戸時代には無く、明治時代に菱餅の一番上に置かれました。
ピンク色は桃をイメージしており、桃には色々な薬効があり、桃の花には便秘解消の作用があり、
桃の種には月経痛、無月経などの女性の病気治療に効果があります。

昔は今ほど身体に良い薬が無い時代に娘が大きくなって病気になった時にひな祭りに使われている
植物を服用して治しなさい。との意味が込められていたと思います。

ヨモギの裏の毛を集めたものが「艾(モグサ)」と言い、日本では主に「オオヨモギ」の裏の毛を採取します。

余談・・・日本には古来より日本独特の薬草文化がありました。
その薬草文化を「和薬(わやく)と言い、民間の間で細々と家伝、秘伝として伝えられてきました。

和薬と言われる代表的な薬草はドクダミ、ゲンノショウコ、センブリ、キササゲ、タラノキ、
ウラジロガシ、カキドオシ、ヨモギなどが和薬と言われます。

ちなみに「和漢薬(わかんやく)」は上記の「和薬」と「漢方薬」を合わせた処方をこう言います。

日本では明治時代に活躍した折衷派の漢方医浅田宗伯が書いた古方薬議によると
古方薬議・・・・「味辛温。頭痛、金瘡、血閉、心腹ノ堅痛、半身不遂、鼻洪、吐血及ビ溺血ヲ主リ、膿ヲ排シ、
気ヲ行ラシ、欝ヲ開ク。
」と書かれています。

艾についての詳しい内容は「食品ー植物ー蓬」をご覧になってください。
<薬効>
ヨモギの葉にはシネオール、ツヨン、ボルネオール、カンファーなどの精油と酵素や多糖類、ビタミンA、
B1、B2、C、各種ミネラルなどが含まれております。

ヨモギに含まれる精油成分には殺菌効果と止血効果があり、切り傷やお肌のトラブルの緩和などの効果があります。
他に体を温める効果もあり、血行促進、冷え性の改善、肩こり、腰痛の改善、生理不順の改善なども期待できます。
<使用方法>
ヨモギ30グラムを布袋に入れます。布袋に入れたヨモギをそのまま浴槽に入れるか、やかんかお鍋に
布袋と水を入れ約10分程煮出し、煮出し終われば布袋ごと浴槽に入れて下さい。
(入浴中に布袋を揉むと成分がよく出ます。)

ヨモギに当帰と地黄を加えると肌に与える体を温める作用と潤い感を高める作用が高まります。

注意・・・ヨモギアレルギーの方や妊婦さんの入浴は控えたほうが良いかと思います。

浴槽に入れる薬湯の他に部分湯と言う方法があり部分湯の代表が足湯と手湯です。

足湯は煮出した薬草を約40℃(やや熱め)に冷まし、風呂桶などに薬湯を入れ、その中に両足を入れ、
冷めたら差し湯をしながら約20分程入り、額に汗が出てくれば効果が現れてきます。

手湯は足湯と同じく約40℃ほどの薬湯に約20分程手を浸しながらマッサージを施し、手が温まってくれば
効果が現れてきます。
<注意事項>
@本品は天然物(生薬)で性質上吸湿しやすいものがあります。
そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因になることがあります。

A開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。

B本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、食べたりしないようにご注意ください。

C幼児の手の届かない所に保管してください。

D他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。)


薬草の入浴剤の注意点
@・・・お風呂から出る時には必ず薬草のエキスをシャワーで洗い流して下さい。
薬草のエキスが身体に付着したままにしておくと人によって症状がひどくなる場合があります。

A・・・当日使った薬草の湯は翌日には使用しないでください。
当日使った入浴剤は必ず入浴後に処分してください。

B・・・お風呂の残り湯を洗濯機で使用する場合は衣類に薬草の色が付着する場合がありますので注意してください。
 
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