蔓荊子 万荊子 まんけいし マンケイシ |
和名、植物名 |
浜栲 浜香 蔓荊(ハマゴウ はまごう) 浜這(はまほう ハマホウ) ハマハイ 浜ぼう(はまぼう ハマボウ)はう ハウ
はましきみ ハマシキミ |
生薬名 |
蔓荊子 万荊子 まんけいし マンケイシ |
学名 |
Vitex rotundifolia |
分布 |
浜栲(ハマゴウ)はクマツヅラ科ーハマゴウ属に属する植物で、関東から、四国、九州、沖縄の日本各地と台湾、中国、
東南アジアからオーストラリアなどの海岸や砂地に自生する落葉低木で、一定の場所に大繁殖します。
ハマゴウは海浜植物なので海水に強く、ハマゴウの果実は水に浮きやすいコルク質の果皮で覆われており、
この性質を利用してハマゴウは海に果実を散布する事により東南アジアからオーストラリアまで自生範囲を拡大できた
と思われます。
蔓荊子は神農本草経の上薬(上品)に記載されており、内容として
「味苦微寒、生山谷、主筋骨間寒熱湿痺拘攣、明目堅歯、利九竅、去白虫、久服軽身耐老、小荊実亦等。」
と記載されています。
時代が下って中国、明の時代の書物である本草綱目(ほんぞうこうもく)によると
「蔓荊とは、苗が蔓生だから名づけた」という植物名の由来の説明がされており、ハマゴウの蔓(つる)が浜を這う様子から
付いた名前と考えられます。
日本でハマゴウの名前の由来として平安時代に書かれた日本最古の百科事典と言われる「和名抄(わみょうしょう)」に
和名として「波末波非、浜未浜比(はまはひ)」の名前で載っております。
時代が下って江戸時代中期に活躍した寺島良安の「和漢三才図会(わかんさんさいずえ)」には
「幹が浜を這っているように見えるのでハマゴウと呼ばれるようになった。」と記載しています。
ハマゴウは浜を這っているように見えるので昔は「浜這(はまほう ハマホウ)」とよばれていたがハマゴウに転じたと言われます。
他に「ホウ」と呼ぶ地域もあります。
同じく江戸時代後期に活躍した小野蘭山の「本草網目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう)」では
「果実を佐州(佐渡)ではハマシキミ、ハマカズラ、ハマゴウと呼ぶ。」と書いております。 |
特徴・形態 |
浜香(はまごう)の特徴として樹高は30センチから60センチほどで、茎は長く地面を縦横に這い、
その所々に根を下ろします。
その茎から枝が出ており、枝の形は四角形で芳香があり、垂直に成長します。
葉は対生し幅の広い卵形又は楕円形で四角の茎に対立してつき、葉の表面はやや白色を帯びた緑色の葉で、
裏面には細毛が密生しています。茎や葉ともに特異な香りがします。
7月から9月の夏の時期に枝の頂上に円すい形の花序を出して紫碧色の唇形花を多数付けます。
花が散れば直径5ミリから7ミリぐらいの球形果実が実ります。
余談・・・以前は葉を粉末にして香にしたり、シキミの葉とモクレンの木の皮とハマゴウの葉を合わせて粉末にして
安い線香を作ったりしました。他に染料の原料にも使用されていました。 |
成分 |
果実には精油成分としてα-ピネン、カンフェン、テルピネオール酢酸エステル、フラボン誘導体のビテキシカルビン、脂肪
などが含まれています。
茎葉にも果実同様の精油を含んでおり、これはピネン、カンフェンなどから成っています。 |
使用部位 |
ハマゴウの果実、茎葉(果実 生薬名 蔓荊子 まんけいし マンケイシ) |
採取時期と管理・保存方法 |
浜香(はまごう)の種子の採取時期は10月〜11月の初冬に成熟した果実を採取し、日干しを行い乾燥させます。
茎葉の枝先は必要な時に採取し、日干しを行い乾燥させます。 |
薬効、服用方法 |
蔓荊子を煎じて服用すると鎮痛作用、解熱作用、強壮作用があり、頭痛、関節痛、解熱、強壮、風邪などに効果があります。
当店が使用しています蔓荊子は日本産と中国産がございます。
蔓荊子を煎じる場合は
蔓荊子約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は
取り除き、1日数回に分けて服用します。
蔓荊子と他の薬草(艾葉、ゲンノショウコ、重薬など)と一緒に煎じて服用しても良いです。
蔓荊子の粉末の場合は
蔓荊子の粉末を1回量約1グラム〜2グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、お湯に混ぜて服用してください。
(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)
「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても結構です。 |
蔓荊子を含む漢方処方 |
蔓荊子湯
清上けん痛湯 |
参考資料 |
神農本草経
「味苦微寒、生山谷、主筋骨間寒熱湿痺拘攣、明目堅歯、利九竅、去白虫、久服軽身耐老、小荊実亦等。」 |
その他 |
蔓荊子は中国では「京子」、「万金子」とも呼ばれています。 |
参考文献 |
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑 |
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