呉茱萸 果実
呉茱萸 果実
呉茱萸 生
呉茱萸 生
呉茱萸 ごしゅゆ ゴシュユ
和名
呉茱萸 ごしゅゆ ゴシュユ 唐椒(唐薑) からはじかみ カラハジカミ 
加良波之加美 からはしかみ カラハシカミ
生薬名
呉茱萸 ごしゅゆ ゴシュユ
学名
Evodia rutaecarpa
分布
呉茱萸(ごしゅゆ)はゴシュユ属ーみかん科に属する植物で、原産地は中国です。
日本には江戸時代中期の享保年間に渡来し、中国と同様に薬木として栽培されている落葉低木の植物です。

呉茱萸の名前の由来は「中国の呉の国で採れる茱萸なので呉茱萸」と言う意味と「呉の国の茱萸が
良質なので呉茱萸」と言うのが名前の由来です。

呉茱萸は古代中国に書かれた本草書の神農本草経の中品に記載されており、内容として
一名(クサ冠+豪)。味辛温。生川谷。温中下気止痛。咳逆寒熱。除湿血痺。逐風邪。開湊理。根。殺三虫。
と書かれています。

日本では江戸時代に活躍した古方派の漢方医吉益東洞が書いた薬徴によると
薬徴・・・・「嘔吐シテ胸満スルヲ主治スル也。」と書かれています。

明治時代に活躍した折衷派の漢方医浅田宗伯が書いた古方薬議によると
古方薬議・・・「味辛温。中ヲ温ムルヲ主リ、気ヲ下シ、痛ヲ止メ、鬱ヲ開キ、滞ヲ化シ、嘔逆、蔵冷ヲ除キ、呑酸、
痰涎、頭痛ヲ治ス。
」と書かれています。

呉茱萸の木は江戸時代中期の徳川吉宗が活躍した享保年間に渡来し、江戸の小石川植物園で
栽培されていましたが、果実は江戸時代より前に渡来したと思われます。
平安時代に書かれた日本現存最古の薬物辞典の「本草和名」や同じく平安時代の辞典の「和名類聚抄」に
呉茱萸の漢字が生薬名で書かれています。(日本名はカラハジカミです。)

呉茱萸を別名で「唐椒(カラハジカミ)」と言い、「椒(ハジカミ)」の意味は「辛い物」と言う意味があり、
中国から来た辛い物と言う意味で「唐椒(からはじかみ)」と言います。
他のカラハジカミの名前の由来ですが呉茱萸の果実が山椒に似ているので「唐の国から来た山椒」と言う
意味で「唐椒」と言われると言う説もあります。

ちなみに椒(はじかみ)は山椒を指す言葉で、「山椒は和のハジカミ、生姜は呉のハジカミ」とも言います。

江戸時代に呉茱萸の種子が渡来したと書きましたが、その時に渡来したのが雌木で、それが日本全国に
伝わって栽培されています。つまり日本には呉茱萸の雄の木が全く存在しないか、ごく少数が栽培されている
かもしれません。日本で見られる呉茱萸の果実は種子の無い果実と言うことです。

余談・・・古ければ古いほど良い生薬を昔から「六陳(りくちん)」と言います。
六陳と言われる生薬は
「陳皮と橘皮」、「枳実と枳穀」、「呉茱萸」、「半夏」、「麻黄」、「狼毒(ろうどく)」などが六陳と言われます。
六陳と言われる生薬が古ければ良い理由として、六陳には「精油成分」などが含まれております。
これらの生薬を寝かせることにより精油の揮発を促したり、空気で酸化させて作用を弱めたり、薬効成分の凝縮を
させたりします。

ちなみに「狼毒」はクワズイモの根茎ではないかと言われます。狼毒は「神農本草経ー下薬」に猛毒薬のような
記載がされており、非常に危険な生薬と思われます。
後、正倉院の「種々薬帳」にもその名前が見られます。(聖武天皇も飲用されたかもしれません。)

後、金元医学の第一人者の李東垣が「荊芥」、「大黄」、「木賊」、「芫花」、「槐花」も古いほうが良い。
と述べています。
六陳と言われる生薬も古すぎてもいけません。大体採取してから2年から3年物が良い生薬と言われます。

六陳の逆のパターンで、新しければ新しいほど良い生薬を「八新(はっしん)」と言います。
八新と言われる生薬は
「薄荷」、「紫蘇葉」、「菊花」、「桃花」、「赤小豆」、「沢蘭」、「款冬花」、「槐花」などが八新と言われます。
八新と言われる生薬は六陳とは逆に古くなれば体に良い成分が揮発しますので、新しい生薬を使用します。

※昔からの疑問で「槐花」は古いのが良い?新しいのが良い?
特徴・形態
呉茱萸の特徴ですが呉茱萸は雌雄異株で樹高は約3メートルぐらいに成長します。

葉は対生し奇数羽状複葉で7個から8個の複数葉で構成されています。
葉の形ですが小葉は楕円形で葉の長さは約10センチぐらいで全縁で葉の先は鋭く尖り葉の裏や葉柄に
柔毛があります。


呉茱萸の花は初夏頃に円すい花序を出して緑白色の小さな花が集まって咲きます。

果実は9月から11月の晩秋頃に紫赤色に熟し、熟すと開裂する刮ハを結びます。
果実ですが全体的に扁球形で直径が6ミリぐらいの大きさで、表面は凹凸があり、種子には精油成分を
含んでおります。
成分
呉茱萸に含まれる成分はインドールアルカロイドのエボジアミン、デヒドロエボジアミン、ルテカルピン、ヒゲナミン、
シネフリンやゴシュユ酸、精油成分のオシメンなどが含まれています。

他に苦味成分としてリモニンや香気成分として鎖状テルペンなども含まれています。


余談・・・2017年よりヒゲナミンはドーピング検査に接触する成分と認定されました。

ヒゲナミンを含む生薬は「呉茱萸(ゴシュユ)」、「細辛(サイシン)」、「南天実(ナンテンジツ)」、「附子(ブシ)」、
「丁字(チョウジ)」などに含まれております。

ちなみに生薬の「麻黄(マオウ)」に含まれるエフェドリンもドーピング違反になります。
使用部位
呉茱萸の果実
採取時期と管理・保存方法
呉茱萸の採取時期は夏から秋に赤く成熟する前の未成熟果実を採取して日干し乾燥させます。
(出来れば早く乾燥させたほうが良いでしょう。)
薬効、服用方法
呉茱萸は日本薬局方によると主として漢方処方用薬であり、冷え性用薬とみなされる処方及び
その他の処方に少数例配合されている。

他に呉茱萸を服用すると鎮静作用、鎮痛作用などが期待でき、リラックス効果、頭痛、嘔吐、口内炎、
歯痛、湿疹などに効果があります。
身体を温める作用もあるので冷え性予防にも効果があり、冷え性対策の漢方薬に配合されたり、
入浴剤としても使用されます。

呉茱萸を煎じて服用する場合は
呉茱萸単独で服用することは稀で、主に漢方薬に配合して服用します。

呉茱萸の粉末の場合は
呉茱萸粉末を1日1グラムから1.5グラムを目安に水またはぬるま湯で服用するか、お湯に混ぜて
服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)
呉茱萸粉末はかなり苦いです。

「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても結構です。
生薬との組み合わせ
呉茱萸+乾姜・・・呉茱萸と乾姜を組み合わせることにより腹部(胃寒)にある寒を取り除き、内臓の機能を高め、
頭痛や嘔吐を取り除く効果が期待できます。
(漢方処方・・・呉茱萸湯)

呉茱萸+人参・・・呉茱萸と人参を組み合わせることにより腹部にある寒を取り除き、内臓の機能を高め、頭痛や
嘔吐を取り除く効果が期待できます。
(漢方処方・・・呉茱萸湯)

呉茱萸+センキュウ・・・呉茱萸とセンキュウを組み合わせることにより腹部にある寒を取り除き、内臓の機能を高め、
頭痛や嘔吐を取り除く効果が期待できます。
(漢方処方・・・温経湯)
呉茱萸を含む漢方処方
温経湯・・・<出典 傷寒論>

九味檳榔湯・・・<出典 浅田宗伯>

呉茱萸湯・・・<出典 傷寒論>

当帰四逆加呉茱萸生姜湯・・・<出典 傷寒論>
参考資料
神農本草経ー中品
一名(クサ冠+豪)。味辛温。生川谷。温中下気止痛。咳逆寒熱。除湿血痺。逐風邪。開湊理。根。殺三虫。

薬徴
嘔吐シテ胸満スルヲ主治スル也。

古方薬議
味辛温。中ヲ温ムルヲ主リ、気ヲ下シ、痛ヲ止メ、鬱ヲ開キ、滞ヲ化シ、嘔逆、蔵冷ヲ除キ、呑酸、痰涎、頭痛ヲ治ス。
その他
特に無し
参考文献
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑
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