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薬用植物ー生薬ー薬草ー健康茶ー牡丹皮ーぼたんぴーボタンピについて。やなぎ堂薬局

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〒790-0014 愛媛県 松山市 柳井町 1-14-1

牡丹皮ーボタンピ Paeonia suffruticosa Andrews

牡丹皮ーぼたんぴーボタンピのご紹介

 牡丹皮ーぼたんぴーボタンピ
 基原植物和名
牡丹、ぼたん、ボタン 

二十日草、はつかぐさ、ハツカグサ 

深見草、ふかみぐさ、フカミグサ 

名取草、なとりぐさ、ナトリグサ
 生薬名
牡丹皮、ぼたんぴ、ボタンピ
基原植物学名(ラテン語名) 
Moutan Cortex
生薬英語名 
Moutan bark
 植物英語名
Paeonia suffruticosa Andrews
 分布
牡丹(ぼたん)はボタン属ーぼたん科に属する植物で原産地は中国です。
日本には平安時代(源氏物語に出てこないのでそれ以降と思われる。)
に渡来し、昔から観賞用、薬用に日本各地で植栽されている落葉低木の
植物です。

牡丹の名前の由来は、牡丹は種を蒔いて芽を出す植物では無く、
前に生息していた牡丹の根から新苗を出すので雌いらずの意味で「牡」の
名が付き、「丹」は花の色が赤(丹)なので丹が付きました。
それらを合わせて「牡丹」と言います。

牡丹皮は神農本草経の中品に記載されており、内容として
一名鹿韭。一名鼠姑。味辛寒。生山谷。治寒熱中風。ケイショウ痙。
驚癇邪氣。除チョウ堅オ血留舍腸胃。安五藏。療癰瘡。

と書かれています。

日本では明治時代に活躍した漢方医の浅田宗伯の著書「古方薬議」
に書かれております。
古方薬議・・・「味辛寒。チョウ堅、オ血ヲ除キ、癰瘡ヲ療シ、
月経ヲ通ジ、撲損ヲ消シ、腰痛ヲ治シ、煩熱ヲ除ク。

と書かれています。

中国安徽省銅陵鳳凰山から取れる牡丹皮は最も良品とされ、
ここで取れる牡丹皮を「鳳凰丹皮」、「鳳丹皮」と言います。

牡丹が日本に渡来した時期は諸説あり、平安時代に弘法大師が
中国から持って帰ったと言われます。
(これには諸説あり、源氏物語に出てこないので本当は平安中期以降と思われる。)
弘法大師が中国で修行をしていた時期の中国は唐王朝で、唐王朝時代の
頃から花を愛好する文化が芽生え始め、牡丹の花を愛するようになりました。
(時代が下って清王朝時代は牡丹の花が国花でした。)
日本では江戸時代以降に武家の間で牡丹栽培が盛んになりました。

奈良県の「長谷寺」の牡丹は非常に有名で、毎年春には「ぼたん祭り」
が催されます。

島根県の花は「牡丹」で、中海に浮かぶ大根島の牡丹は有名です。

牡丹は別名で「百花の王=花王、富貴花」と言われます。
ちなみに日本の家庭用洗剤メーカー最王手の花王株式会社が作った
「花王石鹸」のラベルに牡丹の花が描かれています。
ついでに牡丹より1ランク下の花は「芍薬」で、花の王は「牡丹」、
ひとつ下の大臣を示す宰相は芍薬を指し、花の宰相と言う
意味の「花相」と言われます。

余談・・・花の王が「牡丹」と書きましたが、古代中国では百獣の王は
「唐獅子」です。
花の王と野獣の王が組み合わさったのが「唐獅子牡丹」です。
昔、昭和の映画スターの高倉健さんが背中に唐獅子牡丹を背負って
任侠道を進む映画があり、大ヒット後にシリーズ化されました。

牡丹をあしらった家紋を「牡丹紋」と言い、藤原宗家の近衛家の正紋です。
この牡丹紋は徳川時代には菊、桐、葵の紋についで権威がありました。
余談ですが歴史の教科書で必ず見る鎌倉幕府棟梁の源頼朝の肖像画の
「神護寺蔵伝源頼朝像(国宝)」に書かれている
黒い衣冠束帯にも牡丹の模様が描かれています。

源頼朝と同じ時代に生きた武将に「平重衡」がいます。平家物語には
平清盛の息子の重衡は容姿端麗なので「牡丹の花」と讃えられたと
書かれています。
重衡の人生の分岐点は南都征伐と大仏殿の消失が原因かと思われます。

他に日光東照宮の彫り物の中で一番多い花は牡丹です。
陽明門にある牡丹の彫刻が一番大きいです。

牡丹も芍薬も共に着物の柄に用います。牡丹はオールシーズンに着れますが、
芍薬は夏のシーズンに着るのがベターと言われます。

ことわざで「立てば芍薬座れば牡丹」とあり、この意味は芍薬の花が
上を向いて咲くのに対して牡丹の花が下を向いて咲くのでこう言われます。

牡丹と芍薬の違いですが、牡丹も芍薬も共に牡丹科の植物です
が大きな違いがあります。
その違いですが 
牡丹は木です。(100年ぐらいの老木があります。)
・・・使用部位は木なので根皮を使用します。
芍薬は草です。・・・使用部位は草なので根全体を使用します。

牡丹は木なので越冬できますが花を枝ごと取ると新芽が無くなり
来年は花が咲きません。
芍薬は草でので越冬は出来ません。花を枝ごと切っても影響はありません。

余談・・・花札の6月は牡丹です。10点札(種)が「牡丹に蝶」、
5点札(短冊)が「牡丹に青短」、1点札(カス)が「牡丹のカス」です。
特徴・形態 
牡丹の特徴は樹高は50センチから2メートルぐらいで幹は直立して
成長しその幹から分枝します。
分枝は太いです。

葉は柄があって互生し、葉は2回3出羽状複葉で葉の形は卵形又は
皮針形で葉のほとんどが3~5中裂し葉先は鋭頭です。
葉の表面には光沢がなく、葉の下面は緑白色です。

牡丹の花ですが花は4月から5月頃に枝先に直径15センチぐらいの
大形の花を一つ咲かせます。
花は直径が約20センチぐらいになり、花の萼は5枚で一重咲の花は
7~9花弁で八重咲は多数弁からなります。
花の色は品種によって異なり、紫色、紅色、淡紅色、白色などの花があります。

根は肥厚した棒状になって成長します。

(牡丹皮は日本薬局方に記載されています) 
成分 
牡丹皮に含まれる成分はペオノール、ペオノール配糖体のペオノライド、
ペオノサイドなどや安息香酸、βーシトステトロール、カンペステロール、
ベンゾイルオキシペオニフロリン、ペオニフロリン、オキシペオニフロリン
などが含まれています。

ペオノールには大腸菌やブドウ状球菌などの菌類の増殖を抑える作用や
抗菌作用があります。
使用部位 
牡丹の根皮(生薬名 牡丹皮 ぼたんぴ ボタンピ)
日本薬局方
採取時期と管理・保存方法 
薬用牡丹の栽培ですが根に栄養を集中させるために開花前の蕾を取り、
根の発育を促します。

牡丹皮の採取時期ですが10月頃に4年根から6年根を土から掘り起こし、
水洗いをしてから7日ほど日干し乾燥を行い、乾燥した根から根の木芯を
取り除いてから根皮のみを日干し乾燥します。
 薬効、服用方法
牡丹皮は日本薬局方によると主として漢方処方用薬であり、婦人病とみなされる
処方及びその他の処方に配合されている。

また、配合剤(婦人用薬)の原料とする。

他に牡丹皮を服用すると解熱、鎮痛、消炎、浄血などが期待でき、
消炎性の浄血薬として虫垂炎、生理不順、血の道、婦人科疾患、月経不順、
月経困難症、痔疾、頭痛、腹痛などの症状を緩和します。

牡丹皮を煎じる場合は
牡丹皮約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて
弱火で15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、
1日数回に分けて服用します。

牡丹皮と他の薬草(艾葉、ゲンノショウコ、重薬など)と一緒に煎じて
服用しても良いです。

牡丹皮の粉末の場合は
牡丹皮の粉末を1回量約1グラム~2グラムを目安に水またはぬるま湯で
1日数回服用するか、お湯に混ぜて服用してください。
(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)

「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合は
オブラードに包んで服用しても結構です。

牡丹皮の粉末を単独で服用しても良いが、牛乳、野菜ジュース、スープなどに混ぜて
服用しても良いですし、小麦粉と混ぜて料理に使用されても結構です。
生薬との組み合わせ 
牡丹皮+桃仁・・・牡丹皮と桃仁を組み合わせることにより体内で停滞している
血滞やオ血を改善して「血」の流れをスムーズにします。
この場合の牡丹皮、桃仁は実証の駆オ血剤として用いられます。
(例⇒桂枝茯苓丸、桂枝茯苓丸加ヨクイニン、腸癰湯、大黄牡丹皮湯など)
血塊を取り除く作用があります。

牡丹皮+桂皮・・・牡丹皮と桃仁を組み合わせることにより体内で
停滞している血滞やオ血を改善して「血」の流れをスムーズにします。
この場合の桂皮、桃仁は実証の駆オ血剤として用いられます。
(例⇒桂枝茯苓丸、桂枝茯苓丸加ヨクイニン、八味地黄丸、温経湯など)
血塊を取り除く作用があります。

牡丹皮+大黄・・・牡丹皮と大黄を組み合わせることにより内で停滞している
血滞やオ血を改善して「血」の流れをスムーズにします。
この場合の牡丹皮、大黄は実証の駆オ血剤として用いられます。
(例⇒腸癰湯、大黄牡丹皮湯など)血塊を取り除く作用があります。

牡丹皮+芍薬・・・牡丹皮と芍薬を組み合わせることにより体内で
停滞している血滞やオ血を改善して「血」の流れをスムーズにします。
(例⇒桂枝茯苓丸、桂枝茯苓丸加ヨクイニン、温経湯など)
血塊を取り除く作用があります。
牡丹皮を含む漢方処方 
温経湯

加味帰脾湯

加味逍遥

加味逍遥散合四物

キュウ帰調血飲

キュウ帰調血飲第一加減

桂枝茯苓丸

桂枝茯苓丸料加ヨク苡仁

甲字湯

牛膝散

牛車腎気丸

折衝飲

大黄牡丹皮湯

八味地黄丸

六味地黄丸

腸癰湯

蒲公英湯

など
参考資料 
神農本草経ー中品
一名鹿韭。一名鼠姑。味辛寒。生山谷。治寒熱中風。ケイショウ痙。驚癇邪氣。
除チョウ堅オ血留舍腸胃。安五藏。療癰瘡。
その他 
妊娠中の女性には慎重に用いる生薬や漢方薬を「慎用薬」と言い、
牡丹皮は慎用薬になりますので、妊娠中の人は牡丹皮の単独服用や
牡丹皮配合の漢方薬の服用は控えることをお勧めします。
注意事項 
①本品は天然物(植物)で性質上吸湿しやすいものがあります。
そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因に
なることがあります。

②開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。

③本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、
食べたりしないようにご注意ください。

④幼児の手の届かない所に保管してください。

⑤他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。)                
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参考文献 
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 
牡丹皮(ボタンピ)の写真 
牡丹ー赤花 牡丹皮ー原型
牡丹ー赤花
 
牡丹皮ー原型
 
牡丹皮ー丸切り  牡丹皮ー粉末 
牡丹皮ー丸切り
 
牡丹皮ー粉末
 


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